書くにまつわる単語帳:「したためる」

「したためる」といえば、恐らく40代以上の方は、
井上陽水の「心もよう」を思い出すのではないでしょうか。

さみしさのつれづれに
手紙をしたためています あなたに

「したためる」とは、文章を書くことを意味する言葉のようですので、
メールでも「したためる」ことはできるかもしれません。
しかし、やはり、「手紙をしたためる」には、改まった雰囲気、
伝えたいことををカタチにするというニュアンスがあるように思えますし、
手書きと「したためる」は切っても切れないような関係のように感じます。

「心もよう」も次のようにつづきます。

黒インクがきれいでしょう
青いびんせんが悲しいでしょう

書かれた内容だけでなく、選んだインク、びんせんにも想いがある、
手紙全体が伝達手段であり、隅々に何かを感じ取れる・・

そして、それは文字そのものにも言えることです。
(いい悪いは別として)

あなたにとって見飽きた文字が
季節の中でうもれてしまう

井上陽水「心もよう」は「したためる」をとても的確に表現した
すごい詩だと改めて気づかされました。

■漢字で書くと「認める」
ところで、「したためる」を漢字で書くと「認める」となります。
これは、「みとめる」とは読んでも、「したためる」と読める人は
なかなかいないのではないでしょうか。
なぜ、「したためる」が「認める」なのか。

昔、殿様などの位が高い人は、係の者に口述筆記で手紙を書かせて、
それにサイン(花押)するだけだったので、
「したためる」に「認」の字を使うようになったと考えられているらしいのですが、
ということは、偉い人が書くことが「したためる」なのか?
どうも、すっきりはしません。

語源はともかくして、現代のニュアンスとしては、
「改まって書き伝える」という感じでいいんじゃないでしょうか。


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