手書きは考え事を効率化する

すべてが手書きだった頃は、手書きの意味とか、手書きのよさなんて考えることはありませんでした。
選択の余地がない時には、疑問を感じることはありません。

私の場合は、会社に入って数年間は手書きでした。
その後、ワープロの期間が少しあり、Macが登場し、Windows95、インターネットによって、一気にキーボードの時代になったわけです。
(ここでは、パソコン、ケータイ・スマホによる文字入力のことを象徴的に「キーボート」と呼ぶことにします)

キーボード全盛の今、「手書きとは何か?」、この答は人それぞれかと思いますが、私の場合はどうなのかと少し考えてみました。

●手書きは考え事を効率化する
私は仕事上、毎日、企画書や調査報告書を書いていますが、それには大きく分けて2つのステップがあります。

例えば、調査報告書を書く時は、いきなりグラフを見てコメントを書くということはなく、その前に、まず第1ステップとして、今回の調査の結果は、“課題や仮説に対して、どんな意味を持つのか”、“この結果はつまり世の中でどんなことが起きていることを示しているのか”、そんなことをあれこれと頭の中で発酵させ、それを紙にはき出すことをします。
第1ステップで全体を概観し、向かうべき方向性を掴んでから、次の実際のコメントを書くという第2ステップに進みます。
第2ステップは当然ながらキーボードですが、第1ステップは、私の場合、ペンと紙がやっぱりいいのです。

よく、書きながら考える、手で考えると言ったりしますが、確かに、手で書くと、頭の中のものがはき出しやすい感覚があるのと、書いている最中にも頭の中がむずむずとまた考えはじめるという感覚があるように思います。

また、頭の中にあるものは、文字だけでなく、チャートや矢印など、映像的なものもあるので、それをはき出すには、まずはペンで自由に書いてみるのが一番のように思います。

実はこのような作業は、キーボードが登場する前からずっとやってきたことではあるわけですが、
キーボードで納品物を作成する第2ステップと、その前の自分の考えをめぐらす第1ステップが分離され、手書きで考え事をすることが、私の中で明確に意識され、純化されてきたのではないかと感じています。

手書きには情緒的な価値(気持ちが伝わるなど)ももちろんあると思いますが、
私にとっては、考え事を効率化する実際的、機能的な価値が大事だと思っています。

●手書きという武器を手に入れないのはもったいない
最初からキーボードに慣れ親しんできた世代の方は、もしかしたら、書きながら考えるという作業を体験していないのかもしれません。
もし、そうだとしたら、せっかくの武器(しかも、簡単に手に入る武器)を手に入れていないのですから、もったいないというべきかもしれません。
是非、自分の頭の中を紙に直結させる手書きという手段、武器を試してみて欲しいと思っています。

さらに、考え事をするのに適した筆記具の話もありますが、それはまた、機会を改めることにします。


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